お待たせしました~!毎回おふたりの「うたうともだち」にご登場いただく本連載、第2回目でございます。記念すべき第1回にご登場いただいた小田和奏さん(No RegretLife)と佐々木健太郎さん(アナログフィッシュ)から、ご紹介いただいたのは、海北大輔さん(LOST IN TIME)と岩崎慧さん(セカイイチ)!パチパチパチ~!

ふたり合わせて「岩海苔」というユニットでの活動も、活発になってきた今日この頃。今回は彼らの出会いから、下北沢で呑み明かした日々のこと、岩海苔結成のいきさつ、そして名曲「岩海苔のテーマ」についても、たっぷり語ってもらいました。息ぴったりの仲の良さと信頼関係から生まれる、このふたりだけのハーモニーを、ぜひ感じてもらえればと思います。(文=上野三樹/撮影=平沼久奈)

 

**出会いは大阪の夜**

――岩崎さんは上京してきてから、もう何年ぐらいですか?
岩崎「8年かな?」
海北「デビューしてすぐぐらいだよね? こっち出てきたの」
岩崎「8、9年だと思うんですよね」
海北「知り合った最初の時はまだ大阪住んでたんだよね、大阪のクアトロでやった時」
岩崎「そうやね。あの1年半後ぐらいには東京に行ってたね」
――じゃあ、最初は対バンで出会ったんですか?
岩崎「そうですね。騒がしい大阪の街で対バンしましたねぇ」
海北「クアトロでライヴをやったのがバンド同士では初対面ですけど、前の日に取材かなんかで僕が前乗りしてて、夜にイベンターの方とかと呑みに行ったんですよ。そしたら近所で呑んでる、明日対バンするセカイイチのヴォーカルが来たいって言ってるって。『じゃあ一緒に呑みましょうよ』みたいな感じで。それで対バンの前日に合流したのが、初めましてです」
――音とか聴かずに最初に呑んだっていう感じ?
海北「僕はそういう感じでしたね。で、『お前がLOST IN TIMEか!』っていきなり言われて。何だこいつ?みたいな(笑)」
岩崎「酔っぱらってたんでしょうね。すごいLOST IN TIME好きだったんですよね。会いたいなと思う人ほど、何でしょう、僕って強く出ちゃうタイプで(笑)」
――いざ会った第一声が(笑)。
岩崎「『お前がLOST IN TIMEか!』。それはもう、僕の最大級の喜びでした」
海北「めちゃめちゃ笑顔でしたよ」
岩崎「あははは」
――だいぶお酒が入ってたんですね。
海北「まぁ、僕も酔っぱらってたんですけど」
岩崎「初対面で会うには失礼な酒の量でしたね(笑)」
――その翌日に、海北さんはセカイイチのライヴを観て。
海北「こんないい歌を歌う人も、呑むとあんななんだなって(笑)。で、その日もちょこっと打ち上げがあって、そこでは慧ちゃんがうちのドラムのおでこをずっと指しながら『ベジータ! ベジータ!』って言って、うちのドラムがマジギレするっていう(笑)」
岩崎「まぁ、そんなここのドラムと昨日飲んでたんですけどね(笑)。その話、ちょうどしてた。『そういえば慧ちゃん、初めて会った時、ずっと俺のことベジータ呼ばわりしてたよね? 今、俺もうベジータですらないよ』って」
海北「ナッパだよ(笑)」
岩崎「あ、ナッパや!って思って(笑)。『血管浮きまくってますよ』って」
――けっこうな無茶なコミュニケーションなんですね。
岩崎「最初はそうでしたね」
海北「まだみんな若かったからね」
岩崎「まだ僕21とかで、ほっくんが」
海北「22、3とかで」
――そっか、それから東京に来てからは呑み友達みたいな感じで?
岩崎「東京に来た時は、知り合いゼロの状態だったんですけど。前回この記事に出てた佐々木健太郎くん(アナログフィッシュ)も、大阪時代に知り合ってたんです。で、海北くんも大阪時代に知り合ったから、いわば俺の友達ってこのふたりしかおらへんかったんです(笑)」
――心細いですね(笑)。
岩崎「めちゃめちゃ心細かった」
海北「そうこうしてるうちに小田リグレットライフ(笑)が上京してきて」
――あ、そういう順番なんだ。
岩崎「そうですね」
海北「それで気付いたらシェルターとかでみんなでね」
岩崎「だから最初ほっくんとか健ちゃんが、すごい兄貴的存在で東京のB級グルメを教えていただいて」
海北「東京っていうかほぼ下北のね」
――狭い(笑)。
海北「まぁシェルターで焼酎呑んで、せっちゃんにその後行ってね」
岩崎「一時期ずっとそのコースやったよね。シェルターからせっちゃん」
――そういう時期のこと、今でも思い出したりします?
海北「いまだに続いてますけど、お酒の飲み方とかはさすがに変わったと思うし。みんなそれぞれ歳も取って、バンドもすごくいい感じにしぶとさが増していって。でも、やっぱりあの頃のそういうところが繋がりの原点だったりして。今でもそういう無茶なことをたまにすると楽しいし。でも、たまにでいいかなって。何なんですかね? あの頃の感じは」
岩崎「シェルターで飲んでた頃に、色んな先輩方を海北くんに紹介してもらったりし
て。ブッチャーズの吉村さんとか、元ナンバーガールのナカケンさん(中尾憲太郎)とか」
海北「元ドーパンのTAROさんとかも毎晩呑んでたしね」
岩崎「ほんとに色んな人たちを、僕は全然知らなかったですけどほっくんが全部繋いでくれるんですよ。全部架け橋みたいにしてくれていて。たぶんそれは今でも彼は続けていることのひとつだと思うんですけど」
海北「斡旋大好きだからね(笑)。この人とこの人が繋がったらもっとおもしろいのになっていうのとか考えてぶっ込むの好きだからね」
岩崎「ずっと前からそういうことをよくしてくれてて、その時のターゲットがずっと僕でした(笑)」
海北「ことあるごとに、そのターゲットがセカイイチ慧、和奏くん、それから、ghostnoteの大平くんとかですね。ちなみにアナログの健ちゃんは、環七沿いを自転車で下北に向かう途中、ラーメン二郎に並んでるのを見かけるのが圧倒的に多かった」
――あははは。
岩崎「あれ? 俺、隣におらへんかった?(笑)。最初に健ちゃんに連れてってもらったお店がラーメン二郎で。僕、その時にデビュー控えてたのに、それで5キロぐらい太ったんです」
――ダメじゃないですか!(笑)。
岩崎「怒られましたよ。『ラーメン二郎ばっかり食い過ぎだぞ!』『だって健ちゃんが連れてってくれるんですもん』って。あの時はいちばん太ってた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海北大輔 (かいほく・だいすけ)

4月24日生まれ、 岩手生まれ埼玉育ち

LOST IN TIMEのVo&B

 

 

 

***知られざる!?岩海苔の歴史***

 

――互いにバンド活動をしながらも、ふたりで歌うっていう話になったのはどういうきっかけだったんですか?

海北「もともとの岩海苔の話は、あれ、リキッドだよね?」

岩崎「そう、リキッドの当時の店長さんが何かイベントやるって言って。曽我部さんとかおおはたさんとかも出てて。それで『岩崎くんと海北くんのふたりでユニットやってよ』って言われて。それがきっかけです」    

――あ、そうなんですね。それっていつ頃ですか?

岩崎「2005、6年?」
海北「たぶん2006年だね」
――じゃあけっこう前ですね。
海北「そうなんです、そこで1回デビューしてるんです」
岩崎「僕、その時ドラムも叩いたんですけど」
海北「でも1回こっきりだからっていうので特に考えずに、もう好きなことやって終わろうみたいな感じでリハーサル1回だけ入って。そしたら、予期せずな感じでおもむろにドラム叩き出しちゃうからよくわかんない感じになって。何だこれ?って思って」
岩崎「そこにドラムセットがあったから(笑)」
海北「結局、音楽性の違いにより解散しちゃいましたけど」
岩崎「あははは」
――でも、店長さんは何か期待があって「一緒にやったら?」って提案してくれたんでしょうね。
海北「今考えたらね」
岩崎「すごい先見の明が(笑)。何様だって感じだけど(笑)」
――その最初のステージで、曲は何をやったんですか?
岩崎「お互いの曲を」
海北「交互に、それぞれのバンドの曲を逆パターンで歌ったりとか」
――ドラム叩きながら?
岩崎「はい。ドラム叩きながら、『くまのこみていたかくれんぼ~♪』って」
海北「『にんげんっていいな』ですね」
――(笑)。そういう場だったんですか?
海北「そういう場でしたね。もう好き放題やって」
岩崎「お客さんはわりと引いてた可能性が……」
海北「そうそうそう。どっちかっていうとドン引かれて終わったっていう。そこから水面下に潜るわけですよ、岩海苔っていう存在がね。その時もう岩海苔って名乗ったよね。コンビ名何にしようかって言って、岩と海で、ふたりとももさもさの苔みたいな頭してるから岩海苔。で、それから数年の潜伏期間を経て」
――活動休止状態じゃないですか。
岩崎「ずっと活動休止ですよ。各々のバンド活動に集中してましたからね(笑)。当たり前ですけど。でもその後で、『岩海苔やってください』みたいな話を、弾き語りとかやったりするタイミングでちらほらお客さんから言われる機会があって。それ、リキッドのライヴ来てたの?みたいな感じだったんですけど(笑)」
――その1回が、かなりのインパクトだったんでしょうね。
海北「それで、じゃあやろっか、っていう話をしてた時に、去年の7月に『見放題』っていう大阪のイベントがありまして。そのイベントにLOST IN TIMEもセカイイチも出演が決まってて、そのイベントを仕切っている民やんっていうお兄ちゃんから、『せっかく両バンドいるし、岩海苔やんない?』って話されて」
岩崎「お互いのバンドもあったから忙しかったんですけど、ちょっと1曲作ろうかっていうことになって。BIG CATの楽屋でふたりで曲を作って」
海北「ものの15分ぐらいでできましたね」
――それが「岩海苔のテーマ」?
海北「そう、作詞が僕で作曲が岩崎慧ですね。で、その1曲だけを歌って、ものすごい盛り上がって、大阪だけズルいみたいな話になってて。それで秋口に『下北沢roundup』というイベントで、またセカイイチもLOST IN TIMEも出るっていうので。そうこうしてたら、主催のQuipマガジンの人が『なにやら岩海苔っていうのがあるらしいね?』『あぁ、ありますね。オリジナル曲も1曲ありますよ』って話して。『風知空知に空いてる枠あるんだけど』『じゃあ出ますか』って、出たんですけど。そしたらびっくりするぐらい、情報を出してたわけじゃないのに入場規制がかかるくらいのお客さんに来てもらって」
――へぇ~!
岩崎「ツイッターで10分前ぐらいにつぶやいて。そこで初めて告知したんですけど、入場規制がかかって。僕らもそんなに求められても困るんですよ。まだ何も決まってなかったし、1曲しかない状態で、『えー!』って言われて、また大ヒンシュク買って帰って。またそれかよ!って(笑)」
――1曲やって、その後どうしたんですか?
海北「あとは交互にそれぞれの曲を歌う感じで。慧ちゃんがLOST IN TIMEの〈合い言葉〉を歌って、俺はその時〈あかり〉を歌ったのかな。これはちょっとおもしろいから岩海苔でツアーをやろうっていう話になり、去年の暮れに東京と名古屋と京都ですね。『岩と海に苔が生えまして』というツアーをやったんです」
岩崎「全部ソールドアウトで」
海北「で、春にも『岩海苔、春の歌祭り』というツアーをやりました」
――そうして活動が活発になってくるわけですね。
海北「とりあえず年4回はやりたいですっていう話はしてて。で、この春にちょうどLOST IN TIMEの10周年のツアーと、セカイイチのアルバムのリリースツアーで一緒に西日本を5、6箇所一緒に廻ったんですよね。で、まぁふたりいるし、これはちょっと岩海苔プロモーションとしてもいいんじゃないのかな?っていう話になって」
――岩海苔プロモーションって、どこに向かってるんだ(笑)。
海北「いや、わかんないですね」
岩崎「俺たちも今、闇雲に走ってる(笑)」
海北「でも、ある種バンドの目指すべき方向が、それぞれのバンドでばしっと決まってるからできることかもしれないですよね」
――そっか、そういう今だからっていうのがあるんですよね。
海北「バンドで演奏してないものを歌うっていう」
岩崎「そうだね。せっかくふたつのバンドがいるし、じゃあ岩海苔をやらないかっていう提案を海北さんからいただきまして。いいよ、じゃあやろっかって。開場してスタートする10分ぐらい前からプロレス入場な形で」

――おもむろに始まるんだ(笑)。

海北「そう、マイクも使わず」
岩崎「アンプラグドというか(笑)。そこで1曲だけ録音したデモCDを会場で売るんですけど、それがもう130枚ぐらい売れて。大盛況でした」

 

 

 

 

岩崎 慧(いわさき・けい)

1982年7月8日生まれ大阪府出身。

セカイイチのVo&G

 

 

***岩崎「僕も聴きたいんですよ、海北くんの歌を」***

 

――カバー曲とかはやってないんですか?
海北「カバーもやってますね」
岩崎「たまに、ちょいちょいね」
海北「岩海苔のライヴは時間がある時は、ふたり一緒にやれる曲も数曲あるんですけど、それ以外は基本歌合戦スタイルで交互に歌うんですよ。真ん中にちっちゃなテーブル置いて、ビール置いて飲みながら、隣で歌う岩崎くんの歌を聴くっていう」
――そうなんだ。じゃあ、ハーモニーどうこうじゃないんだ(笑)。
岩崎「ないです。僕も聴きたいんですよ、海北くんの歌を」
海北「最近の傾向としてはね。互いが唄う曲たちをMCで繋いでいくんですよ」
――どういうこと?
岩崎「なんであれが始まったんかよくわからないんですけど、たぶんほっくんが『この曲の主人公はこうで』って最初言い出したんです。で、歌を歌って、いい感じの歌やなと思いながら聴いてて。次に僕が歌うんですけど、『その大きくなった主人公は、イラクへ行きます』みたいな感じで(笑)、次の曲を歌い出したりね」
――それ、即興でやってるんですか?
海北「完全に即興で。で、歌う曲はその都度MCに引っ張られながら決めていくっていう。ふたりとも歌詞カードはiPadを使ってるんですけど、もう歌ってる最中はカラオケボックスで次の歌、何歌おうかなって決めてるのとまったく同じ気分です」
――なるほどね(笑)。MCが面白いとは聞いてましたけど、そんな巧妙なものだったとは。
海北「あれは独特ですよね。それぞれのバンドの時は絶対ないもんな」
岩崎「うん。全然ストレスもない状態で、ライヴをずっとやり続けられる感じ」
――だって、ちょっとでも負担があるようだったら、自分のバンドのライヴ前にやらないですもんね。
海北「まったくストレスフリーですから」
岩崎「それはやっぱり10年という月日を友達として、友達ミュージシャンとして、兄貴としてね(笑)」
海北「どういう人間かっていうのはお互いわかってますからね。そこでお互い求めるものと求めなくてもいいものと、あとは逆に自分が頑張らなきゃって思える部分っていうのがすごく合致してるんだと思います。だから、俺も完全に丸投げして委ねちゃう時もあるし、その逆ももちろんあるし」
岩崎「でも、ほっくんはわりと兄貴肌をお持ちやから、やっぱりちゃんとMCの進行をしたりとかしてくれるんですけど、たまにすげぇ真っ白になる時あるんですよ。『なんか今日、気持ちいい~』ってなって、お前、北島康介ちゃうねんからなって(笑)」
――あははは!
岩崎「そんな時は僕が逆にイニシアチブをとって進めたりしますね」
海北「お客さんにも言われるもんね。『今日は海北さんでしたね』とか『今日は慧さんに主導権握られてましたね』とか」
岩崎「色々あるんですよね。その日のコンディションによってライヴのスタイルがガラっと変わる」
海北「そのへんもストレスフリーなんですよ。こうしなきゃいけないっていうのがないから」
岩崎「ないね。お互いフロントマンでやってきてるから、ライヴの後片付けのやり方も知ってるわけですよ。だからお互い、甘える部分と主導権を引っ張る部分がエアーで感じ取れるというか」
――そっか、コンディションによって、「自分が行く!」っていう時もあれば「お願いします!」っていう時もあるし。
岩崎「それがおもしろいところ」
海北「これは、でもほんとにライヴで観てもらわないとわからないかもしれないね」
岩崎「想像以上に自由ですからね」
――想像以上に自由(笑)。
海北「イベントの時大変ですよね? 自由すぎて、他の共演者にも影響を及ぼしちゃうからね。30分のステージって言われて、平気で3曲で50分とか使っちゃって」
岩崎「あははは!」
――なんでそんなことになるんですか?
岩崎「喋っちゃうんでしょうね(笑)」
海北「結果1時間で。無理くり1コーラスずつその後やって」
岩崎「『はよ歌えや』って言われて(笑)」

 

――ふたりでやってるって聞くと、やっぱり声の相性からなのかなと思うじゃないですか。でも、それ以前の関係性って感じもしますね。
岩崎「でも声の相性はいいと思います」
海北「そこに対してのストレスが最初の時点であったらやってない」
――しかも相手が歌ってるのを隣で聴く喜びもあるという。
海北「楽しい至高の瞬間だったりしますよね」
岩崎「一番のリスナーになれた気分です。しかも隣でビール飲みながら、夕陽とか見ながら、『海北くんの歌、染みますわぁ』って」
海北「慧ちゃんが歌ってる時に飲んで、いいなぁって思って、歌い終わると慧くんのグラスにバーッとビールを注いで。『良かったよ!』って」
岩崎「基本、お互いを誉め合うっていうスタイルなんです(笑)」

 

***海北「10年前じゃ絶対出来なかった」***

 

――前回ご登場いただいた佐々木さんと和奏くんはカバーをする時に歌いたい曲が、同じ歳で聴いてきた音楽も似てるから決めやすいんですって。

岩崎「そっか、同い歳か」

海北「僕らはルーツが全然違うからね」

岩崎「めちゃくちゃおもしろいですよ。僕は洋楽のブラックミュージックのカバーをしたりするんですけど、海北くんは何だ?」
海北「歌謡曲だからね」
岩崎「『愛のメモリー』とか歌っちゃうんですよ」
――あははは。そっか、じゃあすごい振り幅になるんですね。
海北「慧くんが『ピープル・ゲット・レディ』を歌った後に『夢芝居』とかね」
――あははは!
岩崎「あれがめっちゃ面白かった。だって『海北屋~!!』って歓声が飛んできたりしますからね」
海北「屋号になっちゃったよ、みたいな」
――海北屋(笑)。では、お互いヴォーカリストとしてこういうところが羨ましいっていうところとか何かありますか?
海北「もう、だらけですね」
岩崎「こないだツアーを一緒に回ってて、LOST IN TIMEの海北大輔を久しぶりにガッチリ観たんですけど。なんやろうな、歌の芯の強さとか、言葉の重み、胸にストンと何のストレスもなくくる感じとかは、かなり稀有な存在だと思いますよ。日本のロックのシーンの中でも、相当なヴォーカリストだなって思います」
海北「いや、僕からするとセカイイチのヴォーカリストの岩崎慧を見てる時は、ここまで王道のロックバンドのヴォーカリストでエンターテイメント性を持ってる、ど真ん中ができるヴォーカリストって今すごく少ないから、やっぱり憧れるし。そのぶん嫉妬もしますしね。飛び道具としてのエンターテイメント性を使える人って今ものす
ごく増えてきてるし、それがもちろん悪いわけじゃなくて、それぞれのバンドのカラーになってたり、楽しい気分にさせたりっていうのはあるじゃないですか。なんだけど、本来の、大きい木の太い幹の部分をちゃんとぶらさずに鳴らせるバンドだし、ヴォーカリストだって思ってて。特に今回の『The Band』っていう作品に関しては、ほんとに俺はそれを感じていて。だから、清志郎さんができてたことや、ヒロトさんができてたことをちゃんとやろうとして、それをできる存在になり得るんだろうな、こいつはっていう。そういう目で俺は見てますね」
岩崎「照れますね。……目を合わせたまえ!(笑)」
海北「あははは……ちょっと悔しいからね」
――そして先ほどおっしゃってた、お互いのバンドが今迷いなくやれてるからこそ、岩海苔がやれてるっていう話もすごく納得がいくっていうか。
岩崎「そうですね。逆に10年前じゃ絶対できなかった」
海北「できなかったね。なんかケンカしてそうだもん」
岩崎「だよね。確かに」
海北「お互いの信念とかを変に相手にも求めたり、しちゃってたと思うし。そういうのも全部取っ払って、純粋な歌うたいとして、ふたりで超楽しいって思えることしかやりたくねえよなっていう。バンドでそれって絶対できないんですよ、バンドとしてのストーリーを背負わないといけないし、自覚と覚悟があって、初めて求めてくれてる人たちにブレのない言葉を届けられる、メッセージを届けられるものだと思うから。ある種、それは時に自分にすごく残酷な気持ちにさせるぐらいのシチュエーションを作ってしまう時もあるんだけど、それがまたバンドの醍醐味だったりもするから。それを克服した時の見える景色ってやっぱたまんないし。……いや、いい話してますなぁ」
岩崎「ほんとですねえ(笑)」
海北「ビール、飲みますか? あ、この後ダメ?」
岩崎「軽い打ち合わせが入ってるけど、まぁ飲みましょう。僕も飲みたい」
海北「岩海苔は歌う前にビール飲まないとね。生ふたつ! 」

 

 

風と光がいい感じに差し込む午後のカフェで、時々ビールを呑んで笑い合いながら

ふたりは次々と唄い、素敵な声を響き合いを聴かせてくれました。

 

 

 

まずは彼らが最初に作った「岩海苔のテーマ」を。

 

 

 

 

それから「岩海苔ノーミュージックノーライスのテーマ」、

「岩海苔さよならのテーマ」とオリジナル曲が続き、

最後はくるりのカバーで「ばらの花」を。

 

 

 

 

 

彼らの声が、聴きたくなってきますよね?ね?

ってことで、今回はなんと!

特別に動画もお見せしちゃいます。

岩海苔からの素敵な歌のプレゼントです、どうぞ楽しんでください。

 

 

 

 

いかがでしたか?海北さん、岩崎さん、楽しい時間をどうもありがとうございました。

 

 

さて、おふたりは、次回はどんな「うたうともだち」を

紹介してくれるのでしょうか?お楽しみに。

 

 

 

thanks to…

UK Project , 風知空知,  yosuke kamiyama