■責任編集川上未映子『早稲田文学増刊 女性号』 早稲田文学会
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今年締めくくりの一冊、何を読もうか必死に考えた。
私がいま常に考えたり、悩んだりしていることが解決する本はないだろうか?
「女性」とは何か。
「妻」になって得た安心感。
失った膨大な自由な時間。
「嫁」という立場がもたらす息苦しさ。
結婚して、東京から淡路島に移り住んで一年半。
東京で働いてきた時とは違う感覚に戸惑っている。
個人の名前では私を見てくれない。
アイデンティティーを理解して付き合ってほしいけれど、
そこまで深く付き合う人間関係が構築できない。
日々葛藤の真っ最中、どうしても読んでおきたいと思っていた本があったことを思い出した。
今回紹介する9月に発売された『早稲田文学女性号』。
すぐ品切れになってしまっていたのだが、2ヶ月かかり重版分がやっと手に入った。
まるで、電話帳。凶器になる重さ。B5版550余ページ。
読み応えがありすぎる。
ベッドサイドに置いていたけど、夢中になり仕事場にも持っていき、
病院の待合室にも持っていき、いつも一緒にいるのですっかり肩が凝ってしまった。
この革命的は本は、「女性」の書き手のみが表現する喜び、楽しみ、辛さ、
切なさ、苦しさ、悲しみがぎっしり詰まっている。
溢れる「言葉たち」に胸がいっぱいになった。
石垣りん、茨城のり子のパーフェクトな詩たち。
最果タヒ『白い花』、村田沙耶香『満潮』、
いまの時代の名手たちの感覚にとっても興奮して、ページを捲った。
川上未映子が訳した樋口一葉『大つごもり』のポップさ!
昔も今も変わらぬ日本人らしい「女の子」の生活、感情の描写が素晴らしい。
そして、桐野夏生と川上未映子『女性と地獄』対談。
「私人間の醜いものしか書きたくない」
って、、、桐野さんの今後の作品が楽しみでならない。
海外文学、批評もあり幅広く「女性」の思いが詰まった作品が収録されているので
自分にピンとくる作品が必ずあるはず!
以下、川上さんの冒頭文から引用する。
“まず、女性とは何なのか。誰のことを指し、またどのような認識や条件によって
それが可能なのか。仮に女性というものに定義を与えることができたとして、
その上で女性をテーマにすることにどのような意義があるのか。
性別二分法を容認し、より閉塞感を強めることになるのではないか。
現在取り組むべきは女性に限定したものではなく人権全般について、あるいは性の
多様性と可能性についてではないのか。問題はいつでも「人間」なのではないか。
しかし、それでもなお、女性というものは存在しています。”
私は「当事者」だ。「傍観者」ではいけない。
いままで、生きてきた「女性」たちが書けなかった、声に出せなかったことを
表現していかなくてはならない。面倒でも、たとえ傷ついても。
「主人」なんて言わない。「家内」なんて言われたくない。絶対に。
今年はを振りかえってみると、LGBTやフェミズムの本を多く読んできた気がする。
来年もこのジャンルの本の需要は高まるだろうし、また継続して読んでいきたい。
本当の自由で平等な社会への変革が進む一年になるといいなぁ。
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淡路島も寒いです!
寒空の下、玉ねぎの苗の植え付けを熱心にしている人がたくさんいます。
どこもかしこも、玉ねぎ畑一面になりました。
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