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不定期連載ということで、このYUMECO RECORDSさまでこういった記事を書かせていただくことは夢にも思わなかったのですが、筆者としては世界で沸いております“アルパカ熱”に居ても立ってもいられず、遂にはオーナーになってしまいました。まずは平易ながら、アルパカそのものへの説明をしていきます。

アルパカ。動物園に行きますと、居るラクダでもなく、どちらかといいますと、「餌をあげられる」とぼけた要員にして隠れた人気者。

南アフリカ大陸を原基としました鯨偶蹄目ラクダ亜目ラクダ科に数えられますそもそも現今の「アルパカ」といいますのも旧くはアンデス文化から派生した儀式性に依拠したものと言われ、生物名としてのアルパカは不明確です。

アメリカでは、アルパカは“ペット”として飼われます傾向もありますが、その毛がハイ・アパレル・ブランドで有効利用されますために、投資対象として世界が目を向けている現状もあります。一時期、ウール100%のコートを着ましたビザールなミリオネアの方がいましたように、今はアルパカ100%のカーディガンを身に纏うエコ・ライクな方々には決して、問題ないのでしょうか。それは、私が鯨を食べましたときに感じます巷間の目やいつかの生レバー騒動を彷彿とさせますが、アルパカは補って「容姿」の愛玩性はなんといいましょうか。匂いはいいわけではないですが、草を喰む(はむ)姿、そして、手を叩きましたらほんわかと寄ってきます姿には白、茶、黒などに分かれていますが、Mr.Children「Gift」のようにまるで黒白の明確な差異がなく、あるのは「性格の差異」です。やはり、不器用な小さいアルパカ、餌に敏感なアルパカ、もそもそと存在感がありますアルパカ、老齢のアルパカ、人間社会の縮図を見るようで彼らはもっと宏大な牧場で駆け回り、日々、とぼけた風情を内包し、生活しています。

さて、しかしながら、アルパカをペットで飼えるのか、ということです。疑問を持たれた方は多いと思います。例えば、イベント用などにレンタルをしていますファームは日本でもあります。しかし、日本でどうにも問題になってきますのは「土地の広さ」です。例えば、5匹のアルパカを飼おうとしましたら、1ha、100m×100mの放牧地が最低、必要になります。相当な地主や元来の牧場主でない限り、少し大変な広さです。だから、私の場合は飼育業者に契約して、アルパカを購入し、飼育場に預けています。こうすれば、どんな地方でもそれなりにファームはありますから、一種の地域活性化にもなりますし、基本、アルパカは群れ移動ゆえに、それぞれがそれぞれ契約することでファームそのもの以外に経済効果もあります。

難点には、アルパカそのものが見られる場所が少ないことでしょう。今春から頻繁に行き来することになります長崎ではバイオ・パーク(http://www.biopark.co.jp/animals/mammal/alpaca.html)に四頭居ます。その点、栃木県の那須アルパカ牧場(http://www.nasubigfarm.com/index.shtml)はそこに特化し、成功している例といえ、アルパカの購入相談や細かい話もここではできます。私もアルパカを巡りましては、何かと調べましたが、日本という場所で「アルパカに会いに行く」難しさ、手間そのものにぶつかることが多く、それでも、アルパカは癒しの動物として老齢者から子供まで皆に愛でられます。また、長崎バイオ・パークはアルパカに限らず、カバやカピバラなど多くの動物に近くに触れあえるというので遠路からのツアー、旅行者も絶えません。

元来、アルパカに魅かれます理由は、私にはそれほど簡単に大きい文脈は敷けないのですが、要は、現在の高度情報化社会の中で、アルパカは「ペット」としての意味を果たしつつ、同時に、緩やかな体内時間を生きている動物として人間という生物のリズムを取り戻してくれるというのがあります。かの、有名なくまモンもふなっしーもワーカホリックで不憫です。

動物園でも、アルパカは人気ですが、餌をあげますと、もしゃもしゃとラクダ系ですが、食べます。そこが子供たちにとっても、愛らしく映るというのも含めまして、高度市場原理主義が定着してしまいましたどうにも世知辛い瀬に、「一人ひとりの心にアルパカを」、と思わないでもないこともないのです。

世の中とは自然とより正しい何かに寄ってきます。そういう意味で、不定期になるとは思いますが、この連載を始めたく思います。自身のアルパカを巡りましての悲喜こもごも、どんな音楽に反応しましたか、地域とアルパカの関係、アルパカの経済効果などもミックスしていきたいと思います。そして、私がどのようにアルパカに魅かれていきましたか、そういう文脈も今後、より詳らかにしていきたいと思っております。

 

 

 

まつうら さとる●1979年生。2013年は『街の灯』という紀行エッセイを寄せていただきつつ、本格的にアカデミズムの中に。今年の抱負は「無理をせず、植田まさしの四コマ漫画を読み終えられたらいいな。」ということと、グルメ・エッセイや書き物系も増えるので難渋しそうです。ブログ:Rays Of Gravity http://d.hatena.ne.jp/satoru79/