どんよりとした曇りや雨が降る日に、よくL.E.D.を聴きます。

私が通勤で利用する沿線は毎日かならず遅延があって、

とくに雨の降る日はいつも以上に混むし車内の空気も重い。

そんな通勤ルートでも、一カ所だけ素敵な場所があります。

急行に乗り換えるために降りる駅が大きな川の上にかかる橋にあって、

季節や天気や空気によって見える景色がくるくる変わる、

素晴らしいビューポイントです。

この場所でL.E.D.を聴きながら急行を待つほんの数分のあいだに、

さっきまでの不快な気持ちも忘れて踊り出してしまいそうになることもしばしば。

楽曲を聴いて景色や物語が思い浮かぶという体験はよくありますが、

私がL.E.D.を聴きたくなる大きな理由は、

今自分が居る世界のまま、見ている景色が色とりどりに、そして瑞々しくなるから。

湿気が粒になって輝きながら宙を舞っているようだったり、

世界の色が鮮明になったり、とにかく不思議なことが起きる。

その景色を感じたくて、とりわけ曇りや雨の日に聴くのです。

 

 

 

L.E.D.はそれぞれのフィールドで活躍中の、

佐藤元彦 : Bass (JacksonVibe)、

オータコージ : Drums (曽我部恵一BAND,□□□, SPANOVA, etc.)、

加藤雄一郎 : Saxophone (Natsumen, Calm, Calm, etc.)、

横山裕章 : Keyboard (曽我部恵一ランデブーバンド, 星野源, たむらぱん, メレンゲ, etc.)、

塩川剛志 : Guitar (Balloons, MAS)、

kakuei : Percussion, Steelpan (Overground Acoustic Underground)、

RYUDAI : Percussion (Little Cosmo, Freaky Machine, Orquesta Nudge! Nudge!)

の7人からなるインストバンドです。

ジャズやハウス、アンビエント、エレクトロニカといった要素で構築される音楽に、

フィジカルな躍動感や熱量が加わるライブパフォーマンスは本当に圧巻です。

 

7/5に渋谷の7th FLOORでライブペインティングパフォーマーの

近藤康平さんが主催のイベントを観て来ました。ゲストはL.E.D.。

まずはL.E.D.からサックスの加藤雄一郎さんとパーカッションと

スティールパンのkakueiさんのソロパフォーマンスとともにライブペインティングが。

残念ながら加藤さんには間に合わなかったのですが(泣)、

kakueiさんのパフォーマンスから観ることができました。

 

私(わたくし)、おそらく群を抜いてリズム感がないのですが、

そんなのおかまいなしで、kakueiさんの叩き出すリズムに勝手に反応して、

ダメです、野生の血が騒いで仕方なかった!

許されるなら奇声をあげて踊り出していたことでしょう。

そして、目を閉じてスティールパンの音のさざ波に耳を傾けていると、

もう天に召された気分でした。

その天国はどこかの南国にあって、エスニックな服装をした女性が

横たわる私のことを大きな葉っぱで扇いでくれているイメージで、恍惚としてたまりませんでした。

 

この日はフードで「すこやか料理ユニット 飲&Yo!」が入っていて、

ご飯を食べながらゆるりとライブを楽しめることになってました。

当日のメニューはラムのパテ、トリレバペースト、ヒヨコ豆とカシュナッツのフムス、

キャベツのサブジ、焼きなすとセロリのヨーグルト煮、ビール酵母パンの盛り合わせ。

すべて手作りの料理たちは冷めてもすっごく美味しかったでっす!(鼻息荒く)

会場が暗いためお皿の上にのるおかずの判別がつかないから、

ほとんど闇鍋的に口に含んでから何かわかるみたいな状態。

スタッフの方によると、この日は「大陸を感じる味」がテーマだったそうで、

獣っけもありつつ、スパイスもよく効いて、

聴覚と味覚と嗅覚とそして視覚をフル稼働でライブを見ることになりました。

 

さて、ライブアクトの最後を飾るのはL.E.D.。

通常のライブだと、バンドとお客さんは舞台とフロアで向かい合っていますよね。

しかしこの日は、あくまでライブペインティングを魅せるため、

バンドもお客さんも一緒になって舞台の奥に設置されたキャンバスを観るかたちになるという、

不思議なセッティングでした。

 

描き手である近藤さんは、L.E.D.の音楽からインスンピレーションを受けて、

映像を再生しているかのように手を止めることなく滑らかにひたすら描き続け、

キャンパスに写るシーンがくるくると変わっていきます。

それを観ている私の中に、全ての景色が不思議と違和感無くすとんと落ちてきて、

まるで私の頭の中をキャンバス上に投影しているかのようでした。

これまで、何かのフェスだとかの機会でライブペインティングを拝見したことはありましたが、

まったく体験したことのない感覚でした。

 

目の前でどんどん描かれる絵は、ひとつのゴールに向かっているというよりも、

ひたすらその瞬間の音を捉えてくことの連続で、そのキャンバス上には無限の場面が描かれ続けている。

でも最後の最後は、一枚の絵として完成するんです……。

すべての時間を通して映画のように観ただけではなく、

それは私の身体の感覚をフルに使って、「体験」として記憶に染み込みました。

 

ところで誰にも聞かれていないけれどこれだけは絶対に記しておきたい裏ハイライトがあります。

L.E.D.の演奏中、塩川さんのギターがじわじわと空間ににじんでいたそのとき、

kakueiさんのスティールパンの音色がいくつも重なって意識があちらにいってしまいそうなほど

至高の世界にいたそのとき、おかずに混ざっていたスパイスが私の口の中で思いっきり弾け飛び散りました。

音楽と味覚と映像(絵)の全てが折り重なったその瞬間たるや、

一生に一度きりの大爆発だったと思います。本当に奇跡のようでした……。(ぽかーん)

 

さてL.E.D.は今年の4月に3rd Album『in motion』をリリースしました。

 

 

前作『elementum』に収録されている初のボーカル曲「I’ll」ではクラムボンの原田郁子さんを迎えましたが、

今作では「空水になる」でSalyuさんがボーカルを、

そしてこれまでもアートワークやライブVJなどでたびたびコラボレートしてきた

漫画家のタナカカツキさんが歌詞を担当するという、大変レアな1曲にも注目です。

そしてなんと、10/20に青山CAYで行われるツアーファイナルには、

ゲストでSalyuさんと降神(今作では「賽の河原〜八俣遠呂智の落とし子と鬼八の祟り」で志人が参加)、

そしてDJでAmetsubが参加。これは……なんかものすごい深いところに潜りながら、

どこか遠いところへ流れていってしまうのかもしれない…!といまから非常に楽しみなのであります。

 

 

 

いつになく鼻息荒く語ってしまいました。
ありがとうございました。

 

L.E.D. official

 

いとう・さわこ●1984年うまれ。都内で働くOLです。この年になってから急に車の免許がほしくなり、先日無事に取得しました。翼を手に入れましたよ私は……!さてさて若干脱線するので本文に書きませんでしたが、L.E.D.はもっと野外フェスに呼ばれるべき説を!私も!声を大にして!言いたい!昨年に朝霧JAM初出演、ほかにもいくつか出演されていますが、野外フェスの常連になってほしいという願望があります!大自然……大勢のオーディエンス……天候は良くても悪くてもどっちでもいい……屋根のない無限の宇宙に響き渡り起こる爆発は、絶対素晴らしいに違いない……!!