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美しい夕焼けや星や月を見つけると息子が「そらがきれいだよ」と教えてくれるようになりました


94才の祖父が余命を宣告されたのは昨年後半のことだった。「半年」と言われた期日をとっくに過ぎた現在、腎臓の機能がその役割をほぼ全うしており、血液検査のたびに「こうして生きていることが奇跡」と医師に言われる。詳細は割愛するけれど、からだがむくんで怠かったり、夜眠りづらかったり、薬の影響でせん妄のような状態になることがあるものの、痛かったり苦しかったりすることがない日々を過ごせており、勝手ながらこんな余生に孫としてはほっとしている。

祖父は田舎の商家の長男に生を受けたが、生みの母親がすぐに亡くなり、その後やってきた実父の新しい妻が男の子を生んだことで、早い段階から「この家はお前には継がせられない」と言われていたらしい。そして第二次世界大戦真っ只中の15歳の当時、志願兵として中国に渡った。現地で終戦を迎えてからは、いろんな偶然に助けられ命からがら日本に戻り、西から東京に出て、いったんは故郷に帰ったらしいが、故郷には先述の通りもはや居場所がなかったので、東京に出て、親類を頼り、乾物屋を始めたらしい。もうその生い立ちすべて自分とはかけ離れた状況で、自分の子ども時代の状況とは、到底比べようがない。でも、ベタだけどそうやって切り拓いてきてくれたおかげで今こうして私が人間やれてるんで、色々となことを諦めないでくれてありがとう、と言いたい。

祖父の軌跡を緻密にたどっても仕方ないので(ここまで話しといてよく言う)このあたりにしておく。祖父は、定年退職後ようやくゆっくりとした時間を一緒に過ごせる、と思ったときに妻である祖母を病気で亡くした。その後は日記に「ばぁば、早く迎えに来て」と書いたりしたものの当のばぁば(祖母)は一向に迎えに来ることがなく、30年を過ぎた。さすがのばぁばももう生まれ変わっているだろうと思うけど最近でもまだ迎えに来てくれると信じているようだ。

私にとっては穏やかで子供が好きでのんびりマイペースなおじいちゃん。しかし、母に言わせれば全然そんなことない性格で、「もう余生だから何とも思わないけど」と言いながら、母のいとこの叔母さんと昔どんなにひねくれていたかとか、こんなひどいこと言われた(ザ・昭和な女性蔑視系)とか笑いながら話している。私は、まあどうであれ、今のじいちゃんと自分の息子が仲良く喧嘩しているのを見ると幸せでたまらない。喧嘩といっても、じいちゃんが見当違いなことを言い、息子が本気で怒る、の繰り返し程度。大変平和です。


だから何、ってことはないんだけど、必ずやってくるその時に向けて、向けてっていうのも変か、でも、その時に向けて心の準備を毎日少しずつしているような気分。丁寧にアイロンをかけて、丁寧に隅から隅までクイックルワイパーをかけて、寝る前にシンクの水をきっちり拭きあげて。そんなふうにして、じいちゃんが食べたことのないモノをひとつでも多く食べさせてあげたい、見たことのないものを教えてあげたい、息子ができるようになったことをひとつでも多く伝えたいと、会いに行っている。まあこれは息子の祖父母に対しても同じなんだろうけど、今はじいちゃんが主な対象。

そんな穏やかふうなことを、気持ちのいい秋風がカーテンを揺らすのを横目でみながら書いてますが、6月に転職した仕事がもう忙しくて忙しくて!(笑)
毎度転職するたびに親などに「もう少し穏やかな暮らしができるようになるはず」と言っているのだけど、叶ったことが、ない。なんでだ。忙しくない部署もある会社の中で、なぜか忙しいところに配属されがち。なんでだ。先週は謎に私から発熱し、息子にうつり、病児保育をしながら火だるま状態で降ってきた仕事を、しながら、引っ越しの準備をして、引っ越しをしました。なんでこんなことに、って何万回も思いながら、なんとか切り抜けました。仕事仲間の人に、「前世の業がやばい」と愚痴ったら、「これからいいことが起きる前触れだよ」と言われ、脳ごと取り替えてもらいたいと脱帽。渦中にいると見えなくなることがいっぱいある。

さて、10月が終わります。もう年末ですよ! 年末と言って過言ではない! 今年の冬はあったかいのかな…個人的には寒いの大好きなんで寒くなってほしいんですが、今やっている案件が東北がらみということもあり、東北メンバーと会話していると寒さ=暖房費高騰が本気で大変そうで、甘いこと言って申し訳ありませんでした、ってなります。東京って、甘いな…。(あんただけやろ)

元気出していきましょう!(エーザイの深津絵里さんわかる人どれだけいますか)

 
 
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マイラブたち。

 
 
 
 


 
sawaいとうさわこ● 都内に住むパラレルワーカー(オカン業含む)です。歳の重ね方の大いなる目標は、小林聡美さん+石田ゆり子さん+深津絵里さんのハイブリット型。そんな私は引っ越して大き目の公園の近所になったのでオットに「走る!やせる!」と宣言したところ、「未来のことはいいから、まず片づけて」とあっさり言われました。そういうの良くないと思うよ?(イーチアザー)