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どうも、今年もまた暗闇の中からこんにちは。
 
2018年も、面白い映画がたくさんありました。今年、家の外で観た映画は159本……去年よりも減りました。けれども、相変わらずNetflixとHuluとAmazon Primeは継続中なので、DVDも含め、家の中で観るものは増えたような気がします。あんま数えてないけど。という話はさておき、2018年の映画ベスト10としては――
 
 

 1.『聖なる鹿殺し』(監督:ヨルゴス・ランティモス)
 2.『フロリダ・プロジェクト』(監督:ショーン・ベイカー)
 3.『万引き家族』(監督:是枝裕和)
 4.『スリー・ビルボード』(監督:マーティン・マクドナー)
 5.『ファントム・スレッド』(監督:ポール・トーマス・アンダーソン)
 6.『ウインド・リバー』(監督:テイラー・シェリダン)
 7.『寝ても覚めても』(監督:濱口竜介)
 8.『きみの鳥はうたえる』(監督:三宅唱)
 9.『ヘレディタリー/継承』(監督:アリ・アスター)
10.『夜の浜辺でひとり』(監督:ホン・サンス)

 
 
というのを選んでみたのですが、いずれも必見の傑作ですし、上記の監督はすべて今後も注目だと思いますので、是非その名前を覚えて帰っていただくことにして、ここではそれとは別に、「2018年、衝撃を受けた映画及びドラマ8本」を、駆け足でご紹介したいと思います。以下、概ね観た順に――
 
 
1.『犬猿』 (監督:吉田恵輔)


『さんかく』、『ばしゃ馬さんとビッグマウス』などオリジナル作品で絶妙な切れ味をみせる吉田監督が、兄弟姉妹の間にある深い闇を描いた一本。暴力的な兄と真面目な弟、容姿に自身のない姉と男ウケする要領の良い妹――新井浩文、窪田正孝、江上敬子(ニッチェ)、筧美和子というキャスティングもバッチリです。そして、単なる「いい話」に終わらない、終盤のカオス展開の衝撃。兄弟姉妹はもとより、人間関係全般の悲喜こもごもを描いたコメディとして、非常に面白かったです。ぶっちゃけ、『愛しのアイリーン』より全然好きだわ。
 
『映画|犬猿』公式サイト
 
 
 
2.『さよならの朝に約束の花を飾ろう』 (監督:岡田麿里)


『あの花』、『ここさけ』の脚本家、岡田磨里が、初めて監督に挑んだ長編アニメ作品です。まさかのファンタジーもの。当初はスルーの予定でしたが(オイ・苦笑)、評判を聞きつけ鑑賞。大変な衝撃を受けました。不老不死の一族に育てられた少年の話なのですが、ゼロから組み上げられた物語の随所に、『あの花』、『ここさけ』に通じるメッセージ性が散りばめられ……なるほど、これが岡田磨里100%なのかと。非常に業の深い作家と思いますが、それを見事長編作品に仕上げたスタッフの頑張りともども、深く記憶に残る一本でした。
 
『さよならの朝に約束の花をかざろう』公式サイト
 
 
 
3.『29歳問題』 (監督:キーレン・パン)


仕事と恋愛、さまざまな面で岐路に立つ29歳の女性――ということで、割と既視感のあるアレかな?と思いながら観ていたら、まさかの大号泣。仕事と恋愛の両面でトラブルに見舞われる29歳の女性が、同年代のある女性と知り合ったことをきっかけに自分自身を見つめ直すという物語なのですが、大事なのは過去の自分と対峙することだったりして。それが、返還前後の「香港」のメタファーになっていることに気づいたときの衝撃。監督自身が一人二役を演じた舞台の映画化ということで、その思い入れの深さが圧倒的でした。
 
映画『29歳問題』公式サイト
 
 
 
4.『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(監督:湯浅弘章)


『惡の華』、『ぼくは麻理のなか』などで知られる押見修造の漫画を映画化した作品ですが、主演の南沙良と蒔田彩珠がとにかく素晴らしかったです。吃音症の主人公が、ある女の子と知り合うことによって、その「世界」を少しずつ広げていく……と同時に、「誰でも良かったはずの自分」が「私じゃなきゃダメだと言って欲しい」と思うに至る経緯とそこから生まれゆくエゴイスティックな感情のアンバランスさが、「青春映画」という枠組みのなかで見事に描かれていました。海辺の町を切り取った映像も、とても美しかったです。
 
映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』公式サイト
 
 
 
5.『search/サーチ』(監督:アニーシュ・チャガンティ)


『クレイジー・リッチ!』によって、アジア系の映画人にスポットが当たった2018年。本作はインド系アメリカ人監督による韓国系アメリカ人主演の映画です。しかし、衝撃的なのはその内容でした。失踪した娘を探す父親の話なのですが、そのすべてがパソコンの画面上で展開するのです。けれども、画面に展開されていくものを見ているだけで、それを操作している人の思考の流れが手に取るようにわかるという衝撃。そんな工夫と発見に溢れた作品でありながら、サスペンスの展開としても一級品という驚きの一本でした。
 
映画『search/サーチ』 | オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ
 
 
 
6.『シュガー・ラッシュ:オンライン』(監督:リッチ・ムーア/フィル・ジョンストン)


つい先日、軽い気持ちで観たのですが、その後しばらく頭を抱えながら悩んでしまうほど、実に衝撃的な作品でした。町山さん曰く、『アリー/スター誕生』と同じ話ということだったけど、まさにその通りで……。どうして男たちは、パートナーの決断を心から喜べないのか。そして、なぜそれによって身を持ち崩してしまうのか。というテーマが、ディズニー映画で描き出されることの衝撃。インターネットの登場によって、良くも悪くも「拡張した」我々の思考や価値観の変化をも射程した、とても現代性の高い一本だと思いました。
 
シュガー・ラッシュ:オンライン|映画|ディズニー公式
 
 
 
7.『マーベラス・ミセス・メイゼル』シーズン2 (ショーランナー:エイミー・シャーマン・パラディーノ)/Amazon Prime


舞台は50年代のアメリカ。順風満帆な生活を送ってきた主人公ミッジが、なぜかスタンダップコメディアンとしての道を歩み始める……というのがシーズン1の概要でしたが、シーズン2では、そんなミッジに触発された周囲の人々の緩やかな変化が描かれます。偏見や差別と闘う「女性映画」の筆頭として語られることも多い本作ですが、声を大にして言いたいのは、とにかく観ていて「楽しい!」ってこと。踊るようなカメラワーク、美しい衣装と美術、芸達者な登場人物たち……この多幸感は、ホント衝撃的ですらありました。
 
Amazon.co.jp: マーベラス・ミセス・メイゼル シーズン2 (字幕版)
 
 
 
8.『アトランタ:略奪の季節』 (ショーランナー:ドナルド・グローヴァ―)/Hulu(期間限定配信)


「This is America」によって音楽界でも大注目を浴びたドナルド・グローヴァーの人気シリーズ『アトランタ』が、さらに進化を遂げて帰ってきた! 相変わらず忙しいんだか暇なんだかわからない男3人が、毎回遭遇する少しだけ奇妙な出来事。それはもはや「緩い」とか「オフビート」とかを超えて、観る者の心をえぐり取る深遠なエピソードの数々に。とりわけ、エピソード6「テディ・パーキンス」の回は、「偉大な芸術は、大きな悲しみから生まれるのか?」という究極の問いを視聴者に投げ掛ける、恐るべき傑作回でした。必見です!
 
『アトランタ:略奪の季節』 | Hulu(フールー)
 
 
 
 
 


 
26558b0200add0f14325c9dd14320e10LIGHTER/WRITER インタビューとかする人。音楽、映画、文学、その他。基本フットボールの奴隷。