エッフェル塔に凱旋門、世界の名だたる作品を集めた美術館に博物館の数々。一度は訪れてみたい国の上位に、フランスがランクインしているという方は多いのではないでしょうか。かくいう私もその中の1人。鉄塔が好きだったこともあり、子供の頃からフランスに対しての憧れは持ったまま。いつ行こうかと悩んでいたのですが、ラッキーなことに、学生という立場を利用すれば、お金は無くとも休みだけはたんまりとあり。大学生のほぼ3ヶ月ある春休みを活用して、遂にフランスまで行ってきました…!と、いうことで。今回のコラムはフランスの美術館で出会った名画と、フランスで流行っている音楽を中心にお届けしたいと思います。(フランスとのミックスだと思えば…テーマからも逸れないですか…ね?)
 
先日テロが起こったこともあり、危険な印象を持っていたのですが、事件があったからこそセキュリティーは逆に万全。各地で手荷物検査、ボディーチェックを行うという徹底っぷりには驚かされっぱなしなほど。今回、滞在中に行った美術館は、ルーブル美術館、オルセー美術館、オランジュリー美術館、パリ私立近代美術館の4館だったのですが、どれも“絵をみせる”ことへの心意気をしかと感じさせる、素晴らしい美術館でした。
 
 
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壁にぎっしり絵がかかっている様は壮観です!

 
 
フランスの美術館と日本の美術館の1番大きな違いは、絵の見せ方にあるのではないかと思います。所属作品数の差がそのまま個性に繋がっているところもあるとは思うのですが、日本の美術館は比較的、効率よく絵を楽しめる順番に魅せているような印象。逆にフランスの美術館は、どこから観ても楽しめるように所狭しと絵を並べる、好きなものを並べることでコレクションルームを作り上げてしまう、という“驚異の部屋”がそのまま美術館スケールになったような印象を受けました。
 
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自分だけの想い出を写真に残せることも海外の美術館ならでは

 
 
超・有名作から隠れた名作まで、様々な作品を鑑賞したのですが、その中でも特に心惹かれたのがオルセー美術館が所蔵しているゴッホ『ローヌ川の星月夜』。青と黄色を基調にしたシンプルな色合いなのですが、静けさが絵に閉じ込められていて、作品の前に立つことで絵の世界に直接入っていけるような錯覚を引き起こされました。余談ですが、この作品が作られた同時期に活動していた作曲家が『ヴァイオリン・ソナタ』で知られるギヨーム・ルクー。若くして亡くなった為、製作された楽曲数はあまり多くないのですが、もしかすると我々が聴いている楽曲を当時のゴッホも耳にしていたかもしれないと思うと不思議な心持ちになります。
 
オルセー美術館は駅をリメイクして建てられているだけあって、大時計が入り口に掛けられていたり、縦にずらりと作品を並べられるだけの奥行きがあったりと、展示場としての美しさも兼ね備えられている完璧な空間でした。そうそう、美術館自体の美しさといえば、世界遺産に登録されているルーブル美術館の素晴らしさたるや…!所蔵品の豪華さはもちろんのこと、美術館に施されている装飾が緻密すぎて、もはやどこからが作品エリアでどこからが建物なのかの境目が曖昧になっている、というレベル。美術館が作品を収蔵する箱以上に、“超一級の作品を演出する”という役割を果たしていて、世界に名を馳せる実力は伊達じゃないなあ…と惚れ惚れさせられました。
 
 

 
 
ルーブル美術館は去年『No.9』展を日本でも開催していた(テーマソングを米津玄師が担当したことでも話題を集めていました)ので、もしかしたら他の美術館に比べて親しみがあるという方も多いかもしれません。ここで1番印象的だったのは『サモトラケのニケ』。勝利の女神が船上に降り立った瞬間を切り取った、知名度も抜群なこの彫刻。荘厳な雰囲気こそ纏っているのですが、個人的には威圧感よりも包み込まれるような感覚を覚えました。顔から下しかないはずなのに、微笑んでいる表情が違和感なく浮かんでくる不思議。美術館に滞在していると頭の中を色んな不思議が過ぎることに最近気付いたのですが、それこそが私が展覧会や美術館に興味を持てるようになったきっかけなのかもしれないな、と今回の旅行で改めて感じました。
 
 
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サモトラケのニケ

 
 
今回は絶対に音楽に触れよう、そう決意していたのですが、どう考えても字数がオーバーしつつあります。でも、フランスの音楽、いざ聴き始めてみると結構素敵なものが多くて。是非ご紹介したい。ということで、今回のコラムに関してのみ、前後篇に分けさせて頂こうかな、と思います。次回はフランスの音楽について、私が調べられる範囲、つまり、皆さんが直接聞くことが出来る範囲の素敵なメロディーをお届けできればな、と思っています。
 
次回をお楽しみに!
 
 
 
 


 
watanabe渡辺真綾●1998年10月13日生まれ。名古屋在住の大学1年生。年間のLIVE総数が100本近くなるほどのミュージックフリーク。戌年の2018年は新たに2匹の犬を加えて、4匹+2人で賑やかに暮らしていく予定です。今年と変わらずに東名阪のいずれかのライブハウスに出没しまくる1年にするつもりにしておりますので、お見かけした際はどうぞよしなに。オススメの海岸情報は引き続き募集中です!