ここ2-3年で暮らしがすっかり変化した私は、ライブハウスにめっきり寄り付かなくなってしまった。結婚して、仕事を続けながら、子どもができて、今年になって出産して(無事子どもが生まれました。干支が同じ、三回り差…!)。毎週のように行っていた場所が、ちょっと遠くなっているのが、今。今日は休日で、よく晴れていて風が気持ちよく、夫と子どもが昼寝している横で、原稿を書いている。外の世界が大変なことになっているなんてテレビを消していたら忘れてしまいそうなくらい穏やかな日。

 
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息子があまりにも模範的に指をしゃぶっていた

 

ライブハウスに通い詰めていたときは、音楽なしでは生きていけない! って本当に思っていたけど、音楽に触れていなくても、今こうしてちゃんと生きている。でもそれって勘違いしないで欲しいのは、私のなかに音楽がまったくなくなったわけじゃなくて、今より若かった頃に音楽に支えてもらった心があって、育ててもらった心があって、それが礎になっているから今の私がいるんだって、心の底から自覚してる。


たとえば学生の頃にとても素敵なライブを観て、身体中にキラキラしたものが溢れてしまって、踊り出したいのを必死で我慢して電車に乗るのがキツかったから、12kmくらいある道のりを歩いて帰ったことがあった。全身が喜びに満ち溢れてはちきれそうになった経験ができたことは、人生の誇りの一つだったりする。ライブハウスに、ライブをしていたバンドに、与えてもらった宝物だ。


ところで大好きなバンドがこの4月に約7年ぶりとなる新しいアルバムをリリースした。お店に買いに行けないから通販で注文して、先日やっと手元に届いた。すごく久しぶりにCDを買った。ちなみにAmazonで注文したら、生活必需品の入荷・出荷を優先しているそうで、CDは予約できていたのに発売日を過ぎても入荷されず、「まだしばらくかかるから、キャンセルしてもいいですよ」っていうメールが来た。そうか、音楽って、後回しにされてしまう資源なんだ、って結構ショックだった。

 
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Amazonをキャンセルしてレーベル通販で買った明日、照らすの約7年ぶりのアルバム『Permanent Collection』。絵本は実母が子どものために送ってくれた。必需品ではないけど、生活にとても大事なものたち。

 

そのアルバムのツアーの東京編は8月に行われる予定。子どもの授乳間隔も長くなっているはずなので、夫に預けて久しぶりのライブを満喫するつもりだった。ちょっと前までは、さすがに8月は大丈夫っしょ、って思ってた。けど今やそれすら危ぶまれるような状況。でも、信じて待つしかない。信じているから、ライブハウスも、ライブハウスのスタッフも、バンドも、ちゃんとその時まで待っていてね。その日にライブハウスで、みんな揃って私たちのことを迎えてね。

 
 
 
 
 


 
sawaいとうさわこ●東東京でのOLを育休中で新米母業に専念しています。産むまでは本当に自分が母親になるのか全然信じられなかったし、母性本能が欠落していたらどうしようってまじで心配していたけど、今や子供の匂いを隅々まで嗅いではうっとりしている変態にすっかり成長しました。よかった。