「何から伝えレバニラ炒め」
 
幼き頃、兄と何度も聴き続け幾つかは原曲も分からず楽しさだけで歌った、嘉門達夫さんの替え歌メドレーの一節、小田和正さんのあの歌のフレーズです。はじめまして。第一回にして何から伝えようか考え、自ら出鼻を挫いた高橋 圭と申します。
 
日本で3番目に多いと言われている名字に、土二つの圭でございます。この度、このサイトの編集長である上野三樹さんのお誘いで、こちらYUMECO RECORDSで連載を持つことになりました! それはそれは突然連絡を頂き、以前からTwitterのつぶやきを読んでくださっていて、今回晴れて連載という経緯でございます。
 
率直に一言、本当にありがとうございます。とても嬉しいです。大好きなミュージシャンの方のインタビューやレビュー、ライナーノーツで自分が読んでいた好きなライターさんからお声をかけて頂いたという事実は、30歳を迎えた私への音楽の神様からのプレゼントだと思いました。誕生日前日に舞い込んだのです、そう思わせてください。
 
この連載はお読み頂く皆さまに「音楽の様々な角度からの楽しみ方」が伝わればというコンセプトで書いていきます。初の連載、何卒よろしくお願い致します。まずは初回ということで僭越ながら簡単な自己紹介とこの連載のタイトルについてお話します。私、高橋 圭はあまり宣伝のないバンド、good sleepsのギターを担当しております。
 
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2011年結成、メンバーはボーカルのmikaと私。自主制作のミニアルバム1枚、インディーズ自主レーベルmoyamoya recordよりフルアルバム1枚をリリース。現在起床(活動休止)中(ぐっすりだけに活動が睡眠、お休みが起床というややこしい設定)ではございますが、自宅スタジオにて作曲、録音技術向上の為日々精進しております。
 
出生は岩手県花巻市。メジャーリーガー大谷翔平選手の母校も近くです。詩人・宮沢賢治氏の出身ということもあり賢治という名前になる予定だった説も。その後神奈川県横浜市の日吉という街に住んでいましたが、喘息を発症、「空気が綺麗な所へ引っ越したほうが良い」というお医者さんの勧めで、4歳から現在まで鎌倉で暮らしています。しかしこれまた湿気が凄いです、海アンド山は。そのため幼少期は肺貧弱少年でした。「海が近くていいね」と言われますが、泳げない&鎌倉でも山の方在住でございます。
 
3つ上の兄がずっと遊び相手をしてくれていました。喧嘩もたくさんしましたが、自転車で色んな所へ連れて行ってくれました。今思い返すと花巻の祖母が手編みしてくれたウサギのぬいぐるみ「ミチョマチョ」の歌を兄と作ったのが人生初作詞曲でした。
 
肺活量を鍛えるためにスポーツもしました。幼稚園から大学1年までラグビー、中学3年間は並行して柔道を学びました。この経験が今の自分を多くを形成してくれています。
 
とにかく怪我が多い少年時代で1年に一回は骨折し、折るたびに「今年もか…」と。親指が逆向きに曲がったり、首の頚椎を痛めたり、椎間板ヘルニアを患ったりもしました。よく行く整形外科の先生は口ひげが達者で声が小さく診断内容はいつも聞き取れませんでした。
 
始めて買ってもらったCDは幼稚園の頃米米CLUBさんの『Phi Ⅱ』でした。小学6年生でゆずさんに憧れアコースティックギターを始めます。が、始めて3ヶ月間はTAB譜を逆さに読んでおり、到底人間の指では抑えられないポジションに時間を費やす。中学2年生、お昼のお弁当の時間で流れる校内放送でJUDY AND MARYさんの「Brand New Wave Upper Ground」を聴いた瞬間、開いた口が塞がらず、放課後すぐ自転車でCDを買いに行きました。音楽の魔法をかけてくれたあの時の放送委員さんありがとう。その後も主に邦楽を聴いて育ち今に至ります。
 
そして、タイトルの「Ginger Ale Lover’s Radio」ですが、何故このタイトルか? 先日、上野さんと都内のカフェで初打ち合わせの際、僕が注文したのが自家製ジンジャエールでした。何気なくオーダーするもの、皆さんもあるかと思いますが、僕の場合はジンジャーエールがそれです。
 
ジンジャエール? ジンジャーエール? ニラレバ? レバニラ?・・・
 
生姜は体を温め血行を促進させ、白血球を増やし免疫力も高めてくれます。炭酸は疲労回復、整腸作用、炭酸特有の満腹感、爽快感・・・と、ここまで調べていたら「まさに音楽はジンジャーエールだ!(岡本太郎さん『芸術は爆発だ!』風にお読み下さい)」と閃き、時に甘くてほろ苦い味、舌と喉を刺激する匂い、透明感あるものから少し果肉混じりの濁った色、炭酸の弾ける音、氷が溶け汗をかいたグラスの温度、音楽もどこか似ている所があると思います。
 
聴いて、観て、さわって・変わって、(©️スピッツさん)匂いを嗅いだり、叫んだり。
 
五感をフルに使って感じ、ジンジャエールのような心の渇きを潤す存在、その音楽の味わい方を皆さんと紐解いていけたらと命名しました。Radioは語呂と雰囲気で。そんなラジオがどこかの国でありそうな。まあ、ラジオも楽器も恋愛もチューニングが大事っちゅうことで。。(全然うまくないのにドヤ顔)
 
略して「GAL Radio」ギャル要素は一切ございません。タイトルは曲の顔、物差しと言ったところでしょうか。曲はよくてもタイトルが…という曲はたくさんあって、自身のバンドでも僕が付けるタイトルはセンスがないとよくボツにされていました(同時にボーカルmikaのセンスが抜群に良き)。
 
タイトルで歌詞やメロディーに説得力を与えたり、曲を最後まで聴いてタイトルを読むとハッと気付くなんてことも十二分にあります。意味は後付けですが、後から意味を持ってくることも音楽にはたくさんあります。めちゃめちゃ長いタイトルや、単語ひとつのものも、奥田民生さんの「マシマロ」みたいなタイトルと歌詞を使った遊びもある。食わず嫌いならぬ聴かず嫌いせず、どんなタイトルの曲もまずは聞いてみて欲しい。この連載もね!
 
曲で言うところのタイトルコール、からのカウント、からの長めのイントロとなりましたが、いちミュージシャンの端くれとしてみなさんとより深く、時には浅く、狭く、広く音楽と文字で戯れていきたいです。趣味の合う友人と気軽にカフェで好きな音楽について話すような感覚でお付き合いください。その時間が何らかの意味を持つかもしれないと願いつつお届けします。
 
 
 
 
 
■オススメしたい!! のコーナー


 
毎回テーマやキーワードに沿った関連曲をいくつかご紹介致します。
第1回はキーワード「タイトル」で思い浮かんだ曲。
 
BUMP OF CHICKEN「K」
2000年3月25日発売 / アルバム『THE LIVING DEAD』収録

 
ボーカル藤原基央さんの文学性高すぎな歌詞の世界観。サウンドも尖っていて、ラストへ向かう緊張感が歌詞の内容と情景をよりイメージさせてくれる。彼らの曲には「孤独」と、その当事者だけが感じることの出来るせつなさ、悲しみ、誇り、大切な何かを抱きしめている、そういった類のものがどこかで滲んでいる。この曲で大切とされているのは親友が付けてくれた「名前」そして最後の1行でタイトルの意味が分かってブワブワってなる、通称ブワブワ曲。ストーリーをより引き立たせる、まさにタイトルが持つ効果、全てを持っていく感じに毎回ゾクゾクします(ブワブワちゃうんかい)。
 
 
 
東京事変「ハンサム過ぎて」
2012年8月29日発売 / アルバム『深夜枠』収録

 

 
椎名林檎さんのアルバムといえば曲名がシンメトリーになっていることは有名ですね。語呂がいい日本語、口気持ちいリズム、フレーズは皆さんもきっとお有りで、「笑ってないで」とか「眼鏡を外して」とか、「あなたが言うなら」、「いっそこのまま」「呼ばれて飛び出て」みたいな・・・。楽曲は勿論、東京事変解散ライブで演奏が終わり、メンバーのいないステージ上でこの曲とスタッフのエンドロールがスクリーンに映され、テレビのチャンネルをイメージしてきたアルバムタイトルが、「color bar」で放送が終了しスクリーンが砂嵐になると言う粋な構成。最後の歌詞が〈テレビを消して こちらへいらして踊りましょうサタデーナイト〉。ハ、、ハンサム過ぎます!!
 
 
 
坂本慎太郎「幽霊の気分で」
2011年11月18日発売 / アルバム『幻とのつきあい方』収録

 
音楽には新しい価値観や自分にない角度から世界を見る切り取り方みたいなものがあって、この曲はまさにタイトルのイメージで時間を過ごしてみたらと思わせてくれる。溶け込む、消える、リラックスした雰囲気。坂本さん特有の軽快なメロディとマッチしたふわふわとした歌詞は癒し効果絶大です。その効果、まるで温泉の如し。通称、温泉曲。
 
 
 
 
 
 
 


 
FullSizeR-2高橋 圭●1988年5月3日生まれ。2011年から作曲、ギターを務めるgood sleepsのALBUM『SIGNAL』はiTunes store、Apple MUSICにて配信中。Twitter:@zazamino
 
good sleeps
http://good-sleep.jimdo.com/